Meet Magento Japan 2019 講演レポート< 前編>

November 05, 2019
=2019年11月5日に都内で開催された「Meet Maganto Japan 2019」。当日行われたコウェル社員による講演の内容を前編・後編に分けてレポートします。=
MeetMagentoJapan様子
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Speaker Information>>
村松篤史(Atsushi Muramatsu) Chief of Digital Transformation Headquarters CO-WELL Co., Ltd.
・富士通子会社にて主に新聞システムの開発に従事
・株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインにて、ゴルフ場予約システムの開発側マネージャとして保守・運用、システム刷新プロジェクトを担当しベトナムオフショア開発チームを立ち上げる。
・2016年より 株式会社コウェルにて、ECサービスを立ち上げMagentoを推進。国内最大級のMagentoプロジェクトを約2年かけてローンチ。現在はECの他にSFA、DWH、BI、xRなどDX関連のソリューション拡充にも奔走中。
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|講演テーマ|日本でのMagentoビジネス2019年のトレンド
1)日本におけるMagentoビジネス・トレンドとMagentoの特徴
magento村松写真
日本企業のEC関連投資ニュースでは、直近のものだと「三陽商会がDX戦略で15億円投資し、越境ECにも注力:https://markezine.jp/article/detail/31590」「ECと連携する電子棚札など、オムニチャネルによる新規顧客の開拓や固定顧客化による事業拡に向けビックカメラ、ノジマが投資強化:https://news.livedoor.com/article/detail/17261550/」「ユナイテッドアローズ・ZOZOから自社ECに移行で1年目16億円 :https://netshop.impress.co.jp/node/6261」などがありました。
日本企業、特に大企業は、ECを中心に大規模投資への潮流があり、世界展開などを視野に入れた動きが近年活発化しています。

これらの時代の流れに対して、日本でのMagento PR内容(基本機能について)はどうかというと、よくサイトに掲載されている売り文句は・・・・・
「・多言語・多通貨・税管理などの海外展開対応が可能・クイックスタート/スケーラブルなAWS環境で動作可能・拡張機能(Extensions)の追加が簡単・CRM機能も搭載・商品管理、サイトコンテンツ管理機能(CMS) ・レスポンシブ対応も可能・EC事業に必要なレポート機能が豊富 ・素早く事業を開始しやすい」となっています。
では実際どうなのか?実際に触ってみた感想としては、商品属性の追加が簡単でデザイン変更が自由にでき、多サイト展開 + 多言語展開が可能であると感じました。既存日本製のパッケージでは制限があるケースが多いですが、Magentoでは制限がなく自由度が高いと言えるでしょう。

また、 デザインテーマを複数作成(既存コピーも可)でき、デザイン部分で迷っている箇所などがある場合も管理画面から1クリックで切替えられる点や用途によっては簡単にABテストの実施が出来る点も評価できます。商品を切り替えたければ、サイトを複数作成すれば良く、 同商品、同カテゴリー等の導線をブランド毎に分けたい場合はストアを複数作成、多言語多通貨を扱いたければストアビューを複数作成すれば良いので簡単です。 この他にも、「管理画面の一覧項目変更が自由自在、AWSとの親和性の高さ、豊富なエクステンション」も特徴としてあげられます。

通常はカスタマイズしないと出来ない(開発コストが発生)一覧項目変更も、管理画面で商品や注文情報などの一覧で表示するカラム(列)の表示制御・表示順を自由に変更できます。インストール作業は勿論、インフラ部分の拡張性も高いAWSと組み合わせる事で、冗長化構成、バックアップなどの設定をAWS側で設定することで可用性向上を踏まえた構成を安易に実現することが出来、インフラコスト(各作業コスト含む)についてオンプレミス環境と比べて抑えることが可能です。もちろんcacheやstrageの機能もMagentoパッケージでの構築実績が多数あり、安心して利用できます。
エクステンションは、他のアプリケーションでは「プラグイン」「アドオン」などと呼ばれていることがあります。要は機能拡張をするモジュールのことでマーケットプレイスや、Magento開発会社のサイトでも購入可能です。
2)Magentoについて
Magentoの提供形態についてですが、複数のラインアップ/エディションがあります。ECサイトの規模(SKU数や可用性)、BtoBの有無や、必要な機能の精査と予算に応じて選択することができます。MagentoCommerceには、CRMや機能拡張のほか、インフラ環境の強化などのサービスなどが用意され、BtoB専用モジュールも準備されており、BtoBのグローバル展開などには最適です。 Magento Commerce のクラウド版には、「Starter」「Pro」の2つのプランあり、それぞれコア機能やインフラなどに違いがあります。

マルチサイト活用方法について、そもそもマルチサイトとは・・・
Magentoではマルチサイトという単語を使い,マルチサイトとはMagento上で複数サイトを構築・運用することを意図しています。基本的には単独の運営者が、複数のサイトをテーマ別に作成して運用することを想定しています。組織規模や事情によって、事業部別に取り扱うデータや機能を制限したい場合もあるでしょうが、組織としては1つです。時折複数企業から委託を受けた企業が複数のサイトを1つのシステム上で運営することがありますが、これも結局は通常運営をする主体が単独の組織になるため違いはありません。 

一方モールとは・・・
楽天やYahoo!ショッピングなどのショッピングモールは、ある企業が管理・運用する1つのシステムの上に多くの加盟店となる企業が共同でシステムを利用することを意味します。これらの違いは、絶対的な権限を持つ運営者が加盟店に対してシステムの利用権を貸与しているため、個別データはきちんと分離されていて相互に見ることはありえません。ですがマルチサイトではないので、ドメイン名が変わるようなことはなく、1つのサイト内の1つのコンテンツとして加盟店のページができていきます。そのためショッピングモールではショッピングモール全体で商品を横断検索することができたり、価格や納期の比較が容易にできるようになっています。  

Mageontoのスコープは4つで、[グローバル][ウェブサイト][ストア][ストアビュー]。それぞれに管轄するデータの領域が異なるので、注意が必要です。
Magento Updateについては、Magento自体がOSSのため、不定期でアップデートの情報が展開されます。毎回かなりのボリュームですので検証する専属チームが無いと辛いですね。

次に日本でのMagento®導入パターンについてご紹介しましょう。
1.国内案件
2.日本企業の海外展開
3.外資系企業の日本展開 
日本でのMagento®導入パターンは、この3つが多くを占めるでしょう。当社の問い合わせやご相談から見えるMagentoビジネス市場トレンドの考察としては、M1のEOS(2020/6)の影響から、M1からM2へのマイグレーション問い合わせが増加するも、Shopify, Salesforceへリプレースするマーチャントが増加中です。M1からM2は新規開発に近い工数がかかることを懸念する声が多いようです。企業規模・商談パターンでは、日系企業の海外進出、外資企業の日本進出の2パターンの商談が多く、間接販売専門の企業が、顧客とのダイレクト接点を持つためにEC企画中の企業が急増(自動車関連、製薬関連など大企業が多い)している現状があります。
よく聞かれる質問の中で多いのは、「Shopifyとの違いは?」というものです。簡単にいうとMagentoでは、Cartを一つにして決済が可能で、数多の店舗をマーケットプレースで持つことが出来ます。一方、Shopifyは、Cartは部門ごとに決済となり、エクステンションを活用して9店舗までマーケットプレース対応が可能です。
3)導入事例
Magento村松写真
当社でのこれまでのMagentoの導入事例について話ししたいと思います。
まず一つ目は、某小売大手企業A社様のネットスーパーサイトです。
この事例は、当社でも最も大きな案件となりました。対応店舗数約300店舗、SKU数約2700万件とお伝えすれば分かるかもしれません。日本だけでなくグローバルでも最大規模のMagento事例のようです。
EC-Beingからリプレース(B2C)、国内のリアル店舗の在庫と連動したECサイトを300サイト以上展開となり、インフラ面ではAzure採用しました。
ECサイト概要としては、対応店舗数約300店舗、SKU数約2700万件、カテゴリー5階層、独自の会員連携、独自の決済連携、既存基幹システム連携となります。
開発規模では、言語は、PHP/Magento2、かかった工数は、700人月 (ピーク時:月80人体制)、体制としては、PMOx1名/BSEx4名/DEVx30名/QAx20名、そして日本側からのエンジニアJPサポートx8名となりました。

二つ目は、某大手メーカN社様 B2B2Cの案件です。
チェックポイントとしては、地域限定でメーカ・ダイレクトECサイトを試験展開、メーカー側サイトで見積、販売店で商品受け取れるレンタル方式販売、今後全国展開、グローバル展開構想もありMagentoの採用となりました。Magento OpenSorce採用し2ヶ月弱での短期オープンを行いました。
ECサイト概要は、3品目でスモールスタート(順次拡大中)、見積もり情報の販売店連携、独自会員連携、独自メール配信システム連携でした。
開発規模の方は、言語:PHP/Magento2(CE)、工数:約20人月、期間:2ヶ月弱、体制:BSEx1名/DEVx4名/QAx5名,日本側サポートx3名でした。

次に三つ目の某文房具メーカC社様です。こちらは、外資系企業の日本ECサイト新規構築(B2C)で本社が米国でMagentoを採用していたため日本でのEC展開にもMagentoを採用したいとのことで、 米国で開発した機能を活用し低コスト・短期間でオープン目指すものでした。
ECサイト概要は、日本法人はEC担当者1名体制、2ブランド収容、日本オリジナルの熨斗対応などを追加開発 開発規模では、言語:PHP/Magento2(CE)、工数:約20人月、期間:2ヶ月弱、体制:BSEx1名/DEVx4名/QAx5名,日本側のサポートx3名です。

最後に、自動車・バイク用 部品素材メーカB社様 についてご紹介します。こちらは、国内企業のB2B用グローバルECサイトでIBM Websphere契約切れに伴うリプレースでした。
海外現地法人毎に異なるERPとの連携(SAP,Navisionなど)、EU圏からスタートし、その後アジアへ展開予定(合計10ヶ国程度)でした。
ECサイト概要は、マルチサイト機能活用し複数国のECサイトを収容、クラウド版を採用しEU圏リージョンに設置(GDPR対応)、アジアではモール展開の構想もある、ライセンスと開発は日本法人で一括管理、費用は利用する現地法人で按分し回収するモデルで運用収益管理。
開発規模の方では、言語:PHP/Magento2(Commerce Cloud)、工数:現在開発中、期間:数年にわたりフェーズを分け開発予定、体制の方は、展開する国・地域によるフェーズ分けし、開発と保守の体制を柔軟に変動し実施予定です。
4)Magento海外イベントフラッシュレポート
今年、Magento imagine 2019に行ってきましたので、少しその内容について共有できればと思います。今回コウェルはVEDC(VEDC詳細はこちらhttps://www.co-well.jp/services/ec/index.html)として、シルバースポンサー枠しており、ラスベガス(会場はWynn Lasvegas Hotelにて開催)で行われるMagento一大イベントで、日本では到底味わうことの出来ない貴重なイベントでした。
来年はAdobe summitに吸収されるのでは?という噂もあり(後日同一開催が発表)、初めて参加したのですがこれで最後かーという、よく分からない心情で挑みました。メインとなるセッションが行われる3日間の他に、前日には 恒例のPre Imagineと呼ばれるイベントが行われていました。Magento imagineでは3日間を通して30以上のセッションがあり、 事業者向け・エンジニア向けなど、様々なセッションが設けられており、聞きたいもの全部を一人で回るのは無理でした。
印象としてPWAに関しては、「これから必ず盛り上がるPWAをMagentoには搭載してますよ!!」的な感じで、色々と説明してくれました。
また、8月に行われたMeet Magento Singaporeにも行ってきたのですが、こちらは四半期に1回程度、世界各国でMeet Magentoが行われています。
8月はシンガポールで行われ、会期期間は1日のみとなっており、セッション数やブースの数はImagineに比べ目劣りしますが、アットホームなイベントになっています。そのほかタイ・バンコクで開催のMeet Magentoへも行ってきます。

当社も日々、Magentoに関する最新情報更新とスキルアップに熱量を注いでいますので、今後もMagentoの啓蒙に少しでも貢献して行きたいと思います。
Magento imagine2019
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