コウェル 代表取締役社長 廣瀬インタビュー

July 27, 2018
代表廣瀬インタビュー様子

“ 最初の1~3カ月をかけて、弊社の日本人PMがどのシステムをアウトソースすれば最適かをお客さま先で調査・分析。現状や課題を明確にした後、ベトナム側で開発メンバーを選定して、プロジェクトを立ち上げます。
このために日本法人に50人規模のSE(プロジェクトマネージャー、ブリッジSE)を配置しています”

※2018年3月12日に行われた【ビジネス+IT】インタビューをもとに再編集しております。

Q)では、御社ではそういった課題にどのようなアプローチをされているのでしょうか?

A)何のシステムをどのようにアウトソースすればいいのかという点については、当社のナリッジワーカーがお客様側にオンサイトして、アセスメントするところから入っていきます。いわゆるSE寄りの窓口対応ではなく、コンサルティング要素が強く、まずその企業様がオフショアに向いているかどうかを最初の1〜3か月で分析させて頂きます。 僕自身コンサルティング出身という事もあって製造業ならば、こうで、サービス業ならこんな課題があるという事を経験で知っているので、そのことをフロントサイドに立つPMに教えながら、7、8年日本側でコンサルティング窓口対応の基盤を作りつつ、ベトナムでは実際に開発するエンジニアを育てていったという感じです。

Q)ベトナムを拠点にされようと思ったきっかけは?

A)ベトナムオフショアに目を付けた理由は、結構単純です。インドは周りで失敗している人が多く、中国は国交的に難しいかなと判断しました。それに加えて、タイムゾーンが同じで宗教観や価値観が似ていることなどを考慮するとベトナムになりました。(笑)では、「ホーチミンでないのか?」とよく聞かれますが、ホーチミンはジョブホップが盛んなこと、ライバル社がすでに多く進出していたこともあり、次の都市として、人間のつながりを大切にする人柄/土地柄に惹かれてハノイに決めました。

廣瀬インタビュー様子
展示会出展写真

Q)御社は大企業が顧客に多い印象ですが、選ばれる理由は何だと思われますか?

A)大手企業様が多い理由は、自分たちでもよく分からないんですよ。(笑)もしかしたら、ご紹介が多いのでその傾向が強いのかもしれません。
コウェルの前身は、動画配信サービス、iPhoneなどのスマホアプリ開発からスタートしました。その時は、日本国内ではどんなアプリでも1本300万円くらいする時代でした。同じレベルのものをベトナムオフショアで開発してみたら1本5万くらいだったので、「これはビジネスになる!」と確信しましたよね。(笑)
例えば当時、日本の開発会社で見積りを取ると200万と言われた、と相談に来られる担当者の方に「当社なら70万でできます。」というような価格差でしたよ。ただ安いだけでは能がないですし、いずれ価格競争に陥るので、フロントサイドは日本人が担当し、案件定義までしても他社より格安ですよ、と謳っていました。そのため、当社を利用されているお客様は皆、「オフショアをしている意識がない」と仰います。何故なら、ずっと日本人PMと接するので、何かあっても、日本人が面倒見てくれる、最悪の場合、書き換えまで対応してくれる、という安心感があるのだと思います。これまで書き換えたケースはありませんけどね(笑)。

Q)コストメリット以外でオフショアメリットはなんでしょうか?

A)8年前までは、やはり『価格』でオフショア開発を選ぶのが一般的でした。それが最近では、「エンジニアを数名獲得したいが国内では思うように集まらない」ので、それに対して「当社なら即対応できます」という流れに変わってきました。
勿論、技術についても申し分ありません。事実、リクルートが開発・提供するエンジニアのスキルを可視化するサービス『CODE.SCORE(注:サービス終了したため、現在は異なるツールを利用中)』を利用したところ、コウェルのエンジニアのPHPのレベルは、日本人SEの平均を上回ったのですから。
これは、ハノイ国家大学をはじめとする、ベトナムのトップの大学と連携し、日本語教育はもちろん、PHP、Perl、Java、Ruby、iOS、Androidなどのプログラミング言語教育、プロジェクトマネジメントやセキュリティ教育、仕事の進め方を学ぶエンジニア・マインド・マネジメント教育など、充実した教育制度でエンジニアを育成してきた成果だと思います。
これまでPHPなら当社のイメージでご発注頂いていたのが、技術力が信頼され始め、次第に実績が出来ると、多くの既存のお客様から次々に案件にも広がりが出てきました。例えば、あるお客様の場合、もともとはiOSアプリの開発から始まりましたが、信頼していただいた結果、サーバサイドの開発も任せていただき、さらに海外進出した際には現地の業務に対応させたシステムの開発までお手伝いしました。
最初はスマホアプリやフロントのシステムをお手伝いし、その後サーバ側のシステムや業務システムの開発をご依頼いただくケースは少なくありません。最近では、特にJavaや.NETでの業務系システムの開発が増えていますよ。
又、他のお客様の場合でも、当初フルスクラッチで要件定義/上流工程も行って期間は6ヶ月ということでスタートしましたが、その後もお付き合いをさせて頂き、今後は社内システム移管の際に「一人当たりのエンジニアのコストが50万円であれば国内でニアショアに出しても同じなのでコスト削減と品質、スピードの速さを考えてお願いする」と言って頂いています。

Q)御社の開発に対する取り組みを教えてください。

A)様々なお客さまからのニーズにお応えしてきた結果、技術の幅が広がってきました。また、それにより新しい技術へのチャレンジに貪欲な、優秀なベトナム人SEの定着を図ることができているとも言えます。
彼らの新しいテクノロジーへ没頭する姿勢には、目を見張るものがあります。彼らは、お客さまからのリクエストが来る前に、xR分野やディープラーニング/AI、ビーコン、IoTなどの研究開発にも積極的に取り組んでいます。
最近では、VR、ARに加えMRのMicrosoft Hololensの開発も行っています。加えて、最近ではオープンソースのECプラットフォームであるMagento(マジェント)にも積極的で、 ビジネスのグローバル化が進む中、以前から越境ECを構築するシステムとして海外でシェアの高いMagentoに注目していました。ちょうど4月にパートナー認定が完了し、認定エンジニアも約25名と増えています。現在Magentoを採用したECサイトとして国内プロジェクトが進行中です。
グループ全体でMagento認定取得のエンジニアを100名規模にするプロジェクトを進めており、『アジア・パシフィックエリアでMagento認定エンジニアが最も多い企業』を目指しています。
さらに顧客企業からの要請に対応するために、オープンソフト系システム以外の情報系システムへの対応も加速させています。 具体的には、NotesからSharePointへの移行を支援するエンジニアの採用・育成やアセスメント・ツールの開発も進めています。このサービスも、上流工程の移設アセスメントや設計フェーズは日本側、開発・移行・テストはベトナム側で行うことでコストの最適化を実現できます。
今後はIBM Watsonに関連した開発や、BIツールなどのカスタマイズ案件にも取り組み、幅広いシステムに対応することで、顧客企業のIT戦略課題を解決するビジネスパートナーを目指していきます。

Q)オフショア開発の最大の壁は、「言葉」だと感じている企業は多いと思いますが、いかがでしょうか?

A)確かにコミュニケーションの問題はあると思います。当社では、スタート時、日本人PMとの話し合いで案件が進んでいくのでストレスを感じることはありません。お客様側の担当者の方がベトナムサイドと話すのはある程度案件が上手く回り始め、安定したステージになってきてからです。ほとんどの場合立ち上げが最も上手く行かずに躓くポイントですので。そこの部分を徹底的にフォローします。
初めてオフショアを始める企業様は、少なからず不安はあると思います。ですので、フロント側は日本人対応で手厚くし、開発もN2以上のベトナムブリッジエンジニアでフォローするなど、言葉の面に関しての不安を取り除くようにしています。ドキュメントも日本語で出てきますしね。

Q)エンジニアのジョブホッパーについては、クライアントへの影響も出てくると思いますが、御社はいかがですか?

A)当社は、離職率が上半期5%を切っていました。出来る限りエンジニアを飽きさせない工夫はしていますよ。例えば、新しいアイディアや技術に対して“どんどんやって行こう”という風土がありますし、研修や社外の勉強会などにも積極的に参加させています。
又、営業サイドから新規案件について3ヶ月単位で報告するようにしています。そうすることで、“この会社には未来がある”“これからも成長する”と感じてもらえるので、業務がマンネリ化せず、モチベーションを維持できるので、辞める確率が低いのだと思います。ベトナム側は特に福利厚生を充実させ、社員とその家族まで楽しめる体制を作っています。さらに、ベトナムにいるSEには、日本で働く機会を設けています。転籍という形ですが、現在16名ほど日本オフィスにはベトナム人がいますが、今後は毎年10名ずつ増やす予定です。

Q)最後に、これからオフショア活用を検討しようとしている企業に向けて、メッセージをお願いします。

A)まず何から始め、何からアウトソースしていけばいいか分からないお客様に対してお伝えできるのは、「まずは相談してください」ということです。出来ないことはできないとキチンとお伝えしますので(笑)
当社は、インソーシング志向アウトソーシング※1を看板にグローバル開発でお客様のビジネス発展のお手伝いをさせて頂いていますが、企画設計から言語や技術要素など課題があまりにも多すぎて、お客様がそれらをすべて内製でやるのは不可能だと思います。そこで上手くアウトソーシングを使って欲しいということです。その中の一部にコウェルがあればいいし、他の企業でも良いと思います。

※1「インソーシング志向アウトソーシング」:http://www.co-well.jp/services/message/cto.html

SODEC2018出展様子
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