
パッケージ開発とは?メリット・デメリットやスクラッチ開発との比開較や導入ポイントを徹底解説
目次[非表示]
- 1.システム導入におけるパッケージ開発とは?スクラッチ開発との違い
- 1.1.パッケージ開発とは
- 1.2.パッケージ開発とスクラッチ開発との違い
- 2.パッケージ開発に向いている案件・企業
- 2.1.開発にかかる費用をなるべく抑えたい
- 2.2.複雑な要件がなく独自のシステムを組む必要がない
- 2.3.構築するまでに時間をかけたくない
- 3.自社開発でパッケージ開発する場合の注意点
- 4.パッケージ開発の3つのメリット
- 4.1.開発期間が短期間でできる
- 4.2.初期費用を低く抑えることができる
- 4.3.再現性が高く安定的に機能する
- 5.パッケージ開発の3つのデメリット
- 6.パッケージ開発の工程
- 7.パッケージ開発とスクラッチ開発を比較する際のポイント
- 7.1.どの程度のカスタムや機能を求めるか
- 7.2.オリジナルのシステムを構築すべきか
- 7.3.業務の優先度や制約の許容範囲で検討する
- 8.まとめ
パッケージ開発は、既存の標準機能をベースに短期間・低コストでシステムを導入するための手法として注目されています。短い開発期間でスタートして、ビジネスのスピードを落とさずに運用を開始できるため、多くの企業が採用を検討しています。
一方、スクラッチ開発では、ゼロから自由に機能を作り込むため、自社独自の要件や特殊な業務プロセスを反映しやすいのが特長です。しかし、開発期間やコストが嵩みがちで、導入後の運用負荷も大きくなる傾向があります。
本記事では、パッケージ開発とスクラッチ開発の基本的な区別から、導入企業が得られるメリット・デメリット、導入の際のポイントについて詳しくご紹介します。
システム導入におけるパッケージ開発とは?スクラッチ開発との違い
パッケージ開発の概要とスクラッチ開発との根本的な違いを押さえ、システム導入時の比較検討に役立てましょう。
パッケージ開発とは、あらかじめ用意された基本機能を活用してシステムを構築する手法を指します。様々な業種や環境で利用される標準的な機能がまとめられたソフトウェアをベースに、一部のカスタマイズを加えていくのが特徴です。この方法によって、開発期間や費用を抑え市販ソフトの信頼性を享受しながら、自社の業務要件に合わせたシステムを短期間で導入できます。
一方、スクラッチ開発はゼロからシステムを作り上げるアプローチです。自社固有のビジネスプロセスを手厚くサポートできる反面、開発に時間もコストもかかりやすい点がネックになります。要件が複雑なほどベンダーや社内担当者の連携が重要となり、完成までに多くのリソースが必要です。
こうした両者の違いを理解することが、システム導入の成功確率を高めるカギです。企業の予算規模、実現したい機能、導入後の運用体制など、さまざまな条件を総合的にチェックし、どちらの方法が自社に最適なのか検討することが大切になります。
パッケージ開発とは
パッケージ開発は、既存の標準機能をベースに短期間・低コストでシステムを導入するための手法として注目されています。短い開発期間でスタートして、ビジネスのスピードを落とさずに運用を開始できるため、多くの企業が採用を検討しています。
一方、スクラッチ開発では、ゼロから自由に機能を作り込むため、自社独自の要件や特殊な業務プロセスを反映しやすいのが特長です。しかし、開発期間やコストが嵩みがちで、導入後の運用負荷も大きくなる傾向があります。
本記事では、パッケージ開発とスクラッチ開発の基本的な区別から、導入企業が得られるメリット・デメリット、導入の際のポイントについて詳しくご紹介します。
パッケージ開発とスクラッチ開発との違い
既存のパッケージを利用することなく、ゼロからすべて構築する開発手法がスクラッチ開発です。スクラッチには、「最初から」という意味があります。Java、C言語、COBOL、PHP、Ruby、pythonなど、多様なプログラミング言語の中から、最適な言語を選び、要件に合わせたプログラムを0から構築していく完全フルオーダーで構築できるシステムと考えてよいでしょう。パッケージ開発とスクラッチ開発のどちらを選ぶかによって、システム導入の費用や期間が大きく変わってきます。どちらの開発手法にもメリット・デメリットがありますが、一概にどちらがよいとは言えません。業種、業務によって、それぞれ向き・不向きがあります。
▶︎スクラッチ開発についてはこちらも参考にしてみてください。
→スクラッチ開発とは?必要な理由やメリット・デメリットを分かりやすく解説
パッケージ開発に向いている案件・企業
パッケージ開発とスクラッチ開発の違いが明確になったところで、パッケージ開発向きの案件・企業をチェックしてみましょう。
開発にかかる費用をなるべく抑えたい
パッケージ開発は、すでに出来上がっているソフトウェアを利用するため、ゼロから開発する必要がありません。一方で、スクラッチ開発は、ゼロから開発を行わなければならないため、費用、開発期間のほかに、開発のための専門的スキルやエンジニアが必要となります。パッケージ開発にかかる費用は、パッケージの購入費用とカスタマイズ費用がメインです。そのため、費用を抑えて短期間で開発できます。
複雑な要件がなく独自のシステムを組む必要がない
独自性のある複雑な業務や特殊な業務フローであれば、ゼロから開発を行うスクラッチ開発が向いています。ただし、独自のシステムを組む必要がない場合は、わざわざ費用や期間をかける必要がありません。一般的な業務、あるいは複雑なシステムが必要ない場合は、汎用的なシステムでまかなうことができます。
構築するまでに時間をかけたくない
スクラッチ開発は、0からシステムを構築する必要があり、どうしても時間がかかってしまいます。しかし、パッケージ開発は、すでにあるシステムを利用して開発するため、短期間での構築が可能です。カスタマイズが複雑であれば多少時間はかかりますが、スクラッチ開発に比べると短期間で構築できます。複雑な要件や独自性の必要性がない場合で、時間をかけたくないときは、パッケージ開発が向いています。
自社開発でパッケージ開発する場合の注意点
自社独自の仕様を取り入れつつ、パッケージの強みを活かす方法やポイントについて整理します。
自社のビジネスルールが比較的特殊な場合でも、パッケージ開発を選ぶことで短い工期や低コストを享受することが可能です。ソフトウェアベンダーと連携し、標準機能と独自機能のバランスをどうとるかが成功のカギとなります。
例えば、顧客問い合わせ管理や分析レポートなど、他社にはない業務フローを実装する必要がある場合は、部分的なカスタマイズで挙げたい成果を狙うことがポイントです。全体をスクラッチで作るよりも、パッケージの信頼性を土台に必要部位を作り込むほうが効率的な場合があります。
ただし、カスタマイズ範囲を広くしすぎると、標準機能の恩恵が薄れてしまいます。開発後のメンテナンス性や将来的なパッケージのバージョンアップへの対応なども踏まえ、最小限で効果の大きいカスタマイズを目指しましょう。
パッケージ開発の3つのメリット
パッケージ開発のメリットは、主に以下の3点が挙げられます。
開発期間が短期間でできる
先にもご紹介したとおり、すでに出来上がっているパッケージを利用するため、開発期間があまりかからない点がメリットです。業務の変更や法令対応などで、システム開発が急務な場合などに向いています。ただし、パッケージ開発でもカスタマイズ数が増えれば長期化することもあるので注意しましょう。
初期費用を低く抑えることができる
パッケージ開発は、スクラッチ開発に比べて少ない初期費用で開発可能です。多くのパッケージには、オプションやカスタマイズできる範囲が設けられており、追加や拡張開発できるものもあります。オプションやカスタマイズに多少費用がかかっても、スクラッチ開発ほどの費用は発生しません。
再現性が高く安定的に機能する
一般的なパッケージソフトは、スクラッチ開発に比べ、利用しているユーザーが多いです。そのため、下記のような特長があります。
- 再現性が高い
- 安定稼働に対するリスクが低い
- トラブル対応が速やかなど
ほかのユーザーの利用によって顕在化したバグが見つかると修正版が配布されて対応するため、自社に影響が出ないうちにトラブルが解決していたというケースもよくあります。その一方、スクラッチ開発は、バグやシステムトラブルの毎に対応に追われてしまう点がデメリットと言えるでしょう。
パッケージ開発の3つのデメリット
低コスト短期間での開発が可能で、再現性が高く、安定的に機能するなど、パッケージ開発には多くのメリットがあります。しかし、以下のようなデメリットもあるので、自社にとっての向き・不向きを判断する際には注意が必要です。
完全オーダーメイドの開発ができず、応用が利かない
スクラッチ開発はゼロから構築する完全オーダーメイドの開発です。自由度が高く、融通が利きやすいというメリットがあります。しかし、パッケージ開発は、既存のパッケージを利用するため、パッケージの許容内での開発しかできません。独自性があるシステムを作れない点はデメリットと言えるでしょう。ただし、カスタマイズ機能によって、追加・拡張開発を行い、ある程度は独自性を出すことも可能です。
業務フローをシステムに合わせて変更する必要が出てくる
スクラッチ開発は、業務フローに合わせたシステム開発を行うことが可能です。画面のレイアウトや帳票の種類など、自社に合わせた開発も行えます。しかし、パッケージ開発は、パッケージ内のシステムを変えることはできません。場合によっては業務フローを変更する必要があります。ユーザーに混乱を招いたり、慣れるまでに時間がかかったりすることも考えておかなければなりません。
システムがブラックボックス化し、トラブル対応が難しい
パッケージ開発の場合、パッケージの開発から関わったわけではありません。プログラムの全貌を把握することが難しく、システムがブラックボックス化しています。ユーザーにとって、理解できない動きをした場合でも、操作ミスなのかバグなのかの判断がしづらく、解決まで時間がかかることがあります。また、ベンダーの倒産などによって、パッケージのサポートが打ち切られた場合は、トラブル対応ができなくなるというリスクもはらんでいます。
パッケージ開発の工程
パッケージ開発の大まかな流れや主要工程を理解することで、スムーズな導入を図ることができます。
パッケージ開発の一般的な流れとしては、まず要件定義からスタートし、その後ベンダーとのパッケージ選定やカスタマイズ範囲の確定、導入・テスト、運用開始へと進みます。各工程で重要なのは、標準機能と自社要件のすり合わせです。
要件定義の段階で、パッケージが十分にカバーできる機能とカスタマイズが必要な部分を峻別し、開発範囲を明確にしておくことが成功の鍵となります。これにより、後工程での無用な手戻りやスケジュール遅延を防ぎやすくなります。
また、導入後の保守体制やアップデート方法もあらかじめ決めておくと、トラブル発生時や機能追加の際にもスムーズです。標準機能のアップデートによって生じるバージョン差分や互換性の問題なども、早い段階で相談しておくと良いでしょう。
パッケージ開発とスクラッチ開発を比較する際のポイント
自社にとってパッケージ開発とスクラッチ開発を比較する際は、どのような点に注目していけば良いでしょうか?
それは「予算や導入までの準備期間をどのくらい確保できるか」によります。
どの程度のカスタムや機能を求めるか
システム構築にあたって、自社の業務をどの程度解決できるかを十分検討する必要があります。パッケージにすでに解決できる内容が揃っているのであれば、パッケージ開発が向いているでしょう。既成パッケージの中に自社が求めるような独自性がない場合や、変更できない業務フローがある場合は、スクラッチ開発が向いています。
パッケージ開発の場合、自社の業務を一元的に解決できないシステムを選んでしまうと、複数のパッケージを組み合わせなければならなくなったり、大幅なカスタマイズが必要になったりすることもあります。パッケージ選びに失敗すると、スクラッチ開発よりも費用が膨らんでしまうこともあるので、注意しましょう。
オリジナルのシステムを構築すべきか
独自性のあるシステムを導入したい場合は、スクラッチ開発を検討するケースも多いでしょう。しかし、よく探していないだけで、実はすでにテンプレートとして同じようなものが既製品として販売されていることもあります。これから構築したいシステムがパッケージで売られていないかどうかは、入念にリサーチする必要があります。類似しているパッケージでも、重要な機能が欠落しているという場合は、スクラッチ開発の方が向いているでしょう。
業務の優先度や制約の許容範囲で検討する
システム導入をしてまでも解決したい業務であるかどうか、独自性や汎用性など制約の許容範囲であるかどうかなども考える必要があります。急務となる業務の場合は、いくらシステムを導入したくても開発までに時間がかかるスクラッチ開発は向いていません。パッケージ製品で対応でき、業務が重要事項かつ早急に解決しなければならないのであれば、パッケージ開発を行うのもよいでしょう。システム導入によって改善を図る業務の独立性と優先度のバランスを考えたうえで、十分な検討が必要です。
まとめ
システム導入を検討する際は、パッケージ開発・スクラッチ開発のどちらがよいか悩んでしまうこともあるでしょう。今回は、パッケージ開発に向いている案件・企業、メリット・デメリットについて詳しく解説しました。それぞれを踏まえたうえで、業界や業務に合ったシステムを検討してみましょう。
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