
Microsoft SharePointがサポート終了!移行方法や提供期限内にやるべき3つの対策
目次[非表示]
- 1.Microsoft SharePointとは
- 2.SharePoint Serverのサポート期限
- 3.Microsoft/SharePointのサポート終了で生じる問題
- 4.Microsoft/SharePointの移行先の選択肢
- 5.Microsoft/SharePointからのベストな移行先
- 5.1.SharePoint Onlineと SharePoint Onlineに移行するメリット
- 5.2.SharePoint Onlineに移行する際の注意点
- 5.3.ハイブリッド構成を採用する場合のポイント
- 6.Microsoft/SharePointの移行・乗り換え方法
- 6.1.移行プロジェクト全体の進め方
- 6.2.移行ツールの準備
- 6.3.SharePoint Serverからのデータ移行
- 6.4.ローカルファイルからのデータファイル移行
- 6.5.JSONやCSV ファイルを使用する場合の移行方法
- 6.6.IT担当者に推奨される移行ツールの例
- 7.Microsoft SharePointサポート終了までにやるべき対策
- 7.1.移行元環境の分析
- 7.2.コンテンツの要不要を区別
- 7.3.移行対象の優先順位を決める
- 7.4.セキュリティ意識の強化
- 7.5.IT部門が実施すべきタスクのチェックリスト
- 8.まとめ
Microsoftが提供するSharePointは多くの企業や組織で利用され、情報共有やコラボレーションを効率化する中心的なプラットフォームとしての役割を果たしてきました。
しかし、特定バージョンのサポート終了が迫り、いまだ移行作業を進めていない組織にとっては大きなリスクが生じる可能性があります。
セキュリティ更新の停止や技術サポートが受けられなくなるなど、事業継続や情報漏洩対策の観点で見過ごせない問題が増大します。
本記事では、サポート終了にともなう具体的なリスクや移行先の選択肢を検討する上で知っておくべきポイントを取り上げます。
Microsoft SharePointのバージョンごとに設定されているサポート期限の特徴を解説し、今後の運用やセキュリティ面を考慮した最適な移行手段を提案します。オンラインサービスであるSharePoint Onlineとの違いや、移行の手順についても詳しく触れます。
サポート終了による業務影響を最小限に抑え、スムーズな移行を実現できるように、IT担当者が今すぐチェックすべきタスクや対策を整理しました。移行期限内に必要な準備を終わらせるためにも、ぜひ最後までご覧ください。
Microsoft SharePointとは
まずはSharePointがどのようなサービスなのか、その概要と特徴を整理します。
SharePointはMicrosoftが提供するグループウェアの一種で、企業や組織内でのウェブサイト構築や文書管理、情報共有を統合的に行うことができるプラットフォームです。ファイルの預け先や共同編集の場を一元化することで、担当者間のコミュニケーションやワークフローを効率化できるのが大きな特長です。ドキュメントライブラリを活用すれば、バージョン管理やアクセス権限の設定が容易になるため、セキュリティ面のメリットも期待できます。
SharePointはオンプレミス環境で利用できるSharePoint Serverと、クラウドベースで利用するSharePoint Onlineの2つを柱として発展してきました。どちらも組織のファイル共有や情報共有を支えるソフトウェアですが、それぞれ導入形態やアップデート方法が異なるため、利用シーンに応じた選択が重要です。特にクラウド環境では自動で最新機能を享受できる利点があり、多くの企業で早期の移行が進んでいます。
Microsoft SharePointには、主に下表のような機能が備わっています。
代表的な機能 | 概要 |
チームサイト・ポータルサイト | ・部門・部署・プロジェクト別にポータルサイトを作成できる ・多種多様なテンプレートが用意されている |
コンテンツ管理 | ・ドキュメント・画像の共有・保管・管理ができる ・アプリの追加によって、アンケートフォーム・掲示板などをSharePoint上で容易に作成できる |
ワークフロー | ・業務手続きの流れを定義し図式化したもの メール・チャットなどでのやり取りでは煩雑化しやすい業務の流れを、わかりやすくシステム上でまとめられる |
検索 | ・チームで共有しているファイルを探せる機能 ・全文検索機能により、目的のファイルをスムーズに見つけ出せる |
連携 | ・ExcelやWordなどのofficeツールと連携し、SharePoint上でこれらの編集や共有などを行える |
SharePointでできること
SharePointにはファイル共有や共同編集といった基本的なコラボレーション機能だけでなく、リストやライブラリを活用したワークフローの自動化、社内ポータルサイトの構築など幅広い機能が備わっています。これらの機能を組み合わせることで、部門間やプロジェクトごとにカスタマイズした情報管理が可能です。
また、多くのユーザーが同時に作業していても、バージョン管理と変更履歴を追跡できることも大きな強みといえます。情報の重複や更新ミスを防ぐ仕組みを整えやすく、承認フローやコメント機能を活用すれば、さまざまな業務プロセスを効率化できます。
SharePoint ServerとSharePoint Onlineの違い
SharePoint Serverはオンプレミス型で、自社サーバー上に環境を構築し、運用管理を社内で行う点が大きな特徴です。ハードウェアの選定やメンテナンスに加え、ソフトウェアのバージョンアップも社内のIT部門が主体的に行う必要があります。自由度が高い反面、運用コストやセキュリティ施策の管理責任も増大します。
一方のSharePoint Onlineは、Microsoft 365の一部としてクラウド上で提供されるため、常に最新の機能やセキュリティパッチを享受できます。サーバー機器の保守や大規模なバージョンアップもMicrosoft側で行われるので、自社内の負担が軽減されるメリットがあります。利用人数の変動に応じて柔軟なライセンス管理ができる点も、クラウドサービスならではの利点です。
Teams・OneDriveとSharePointの役割分担
Microsoftが提供する他のサービスには、コミュニケーションハブとしてのMicrosoft Teams、個人向けストレージとしてのOneDriveがあります。Teamsはビデオ会議やチャットなどリアルタイムなコミュニケーションを強化する機能を持ち、組織内外との交流を円滑にします。一方、OneDriveは個人のファイルを保存・同期する場所として最適化されており、外部への共有も簡単に行えます。
これらのサービスはいずれもSharePointとの連携を前提としており、特にドキュメントライブラリの共有やTeamsのチャットからSharePointサイトへのアクセスなど、業務で扱う情報を無理なくつなぐ仕組みが整っています。各サービスの役割を明確にし、連携させることで、より生産性の高い情報管理基盤を構築できるようになります。
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SharePoint Serverのサポート期限
Microsoft/SharePointのサポート期限は、2026年7月14日です。この日が2023 年11月に提供されるパブリック更新プログラムのサポート期限であり、その後サポートは行われません。対象は、「SharePoint Server 2016」と「SharePoint Server 2019」の2種類です。
各バージョンのSharePoint Serverにはサポート期限が設定されています。どのようなサポートが提供されるのかを把握しておきましょう。
SharePoint Serverにはメインストリームサポートと延長サポートという2段階のサポート期間が用意されています。
メインストリームサポート中は新機能更新や無償の不具合修正、セキュリティパッチが提供されますが、延長サポートに移行すると新機能の追加はなくなり、基本的にはセキュリティ更新のみが中心となります。
延長サポートの期間が終了する段階で完全なサポート終了を迎えます。
サポートが終了するとセキュリティ修正や問い合わせ対応が受けられなくなるため、残されたシステムが脆弱性を抱えたまま放置されるリスクが高まります。
業務の継続性を守るうえでも、サポート期限を過ぎたシステムを運用し続けることは避けるべきです。
企業や組織が使用しているSharePoint Serverのバージョンがいつまでサポートされるのか、正確な期限を確認しておくことが重要となります。
そこで本記事では、SharePoint Serverの2016および2019のサポート終了にあたって、移行方法や提供期限内に行うべき対策などを紹介します。
注)「SharePoint Server2013」については、2023年4月11日にサポートが終了しています。
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SharePoint Serverのサポートの種類
Microsoftの製品サポート形態には、メインストリームサポートと延長サポートという区分があり、それぞれ提供される内容が異なります。メインストリームサポート期間中は、バグ修正や新機能追加が行われ、公式の問い合わせ窓口も利用しやすいのが特徴です。
延長サポート期間ではセキュリティパッチを中心とした最低限の更新が続けられる一方、新たな機能開発や改善は停止してしまいます。つまり、この段階で運用コストは減らせるかもしれませんが、システムとしての拡張性や最新技術への対応力が著しく下がる点には注意が必要です。
SharePoint Onlineのサポートと更新ポリシー
クラウドサービスであるSharePoint Onlineでは、基本的に常に最新バージョンが提供される仕組みになっています。オンプレミス版のように自分でバージョンアップ作業を行う必要がないため、管理者の負担も軽減されやすいのがメリットです。また、セキュリティアップデートも自動的に適用されるため、脆弱性対策において有利といえます。
ただし、利用開始時のプランや利用条件によっては、一部機能が制限される場合があります。自社の業務やライセンス形態を踏まえ、どのサービスプランが最適なのかを早めに検討し、適切なサブスクリプションを選ぶことがトラブルを回避するポイントになります。
Microsoft/SharePointのサポート終了で生じる問題
サポートが終了することで、思わぬリスクや影響が発生します。主な問題点を整理しましょう。
Microsoft製品のサポート終了は、新たな脆弱性に対する修正プログラムの提供が止まることを意味します。業務で頻繁に利用されるシステムがセキュリティリスクを抱えたままだと、重要なデータの流出や不正な改竄につながる危険性があります。また、問い合わせ対応が終了するため、トラブルが発生した際に解決までの工数が大幅に増えてしまう可能性が高い点も大きな懸念材料です。
このような状況を放置すると、組織全体の生産性や信頼性に悪影響を与え、最悪の場合には業務停止や企業イメージの低下といった事態を招く可能性があります。過去にはサポートが終了したバージョンを使い続けた結果、大規模なシステムトラブルや情報漏洩につながったケースも報告されています。
早めの対策が必要であることは言うまでもありません。
新たに発見された脆弱性を改善できなくなる
サポート終了後はセキュリティパッチの提供が停止するため、新たに見つかった脆弱性を修正することが難しくなります。たとえ小さな不具合やセキュリティホールであっても、攻撃者に利用されるリスクは高まる一方です。
従来であれば修正プログラムを適用することで対処できた問題も、サポート終了後には保守や対策を自力で行わざるを得ません。結果として運用負荷が増し、システムの安定運用が困難になる懸念が一層強くなります。
問い合わせ対応を受けられなくなる
サポート終了後はMicrosoftの公式サポート窓口だけでなく、関連する製品サポートからの対応も限定的になります。万一重大な不具合が生じた場合には、原因解析や修復作業を組織内部で完結しなければならず、担当者のスキルや労力に大きく依存します。
外部のサポートベンダーなどに頼る場合でも、サポート終了したバージョンを扱うエンジニアが減少し、対応コストがかさんだり、対応スピードが落ちたりする可能性があります。問題解決まで迅速にたどり着かない状況が続けば、業務停滞など深刻なダメージを受けるリスクが高まります。
サポート終了が業務に与える影響
日常的に利用するシステムにおいて、サポート終了版のSharePointを使い続けることは、想定外のトラブル発生率が高まることを意味します。ファイルの共同編集やワークフローの承認といった重要な業務シーンで障害が発生すれば、担当者同士のコミュニケーションも円滑にはいきません。
さらに、他の業務システムやMicrosoft 365製品との連携がスムーズにいかなくなる可能性もあります。結果的に生産性が大きく低下し、サービスレベルの維持が難しくなることで、クライアントや顧客への影響も増大するでしょう。
サポート終了に対応しない場合のリスク事例
過去にはサポート終了後のWindows OSやSQL Serverを使い続けていた組織が大規模なマルウェア感染を引き起こした事例があり、同様にSharePointでも類似のリスクが懸念されます。特に、機密データや個人情報を扱う企業であれば、情報漏洩は信用失墜につながりかねません。
一度発生したトラブル対応には多大なコストと時間を要するうえ、被害を受けた組織のイメージ回復には長い年月が必要です。こうした事例からも、サポート終了製品を利用し続けることがいかに危険であるか、改めて認識する必要があります。
■関連資料
Microsoft/SharePointの移行先の選択肢
サポート終了に備えて、まずは移行先としてどのような選択肢があるのかを概観します。
SharePoint Serverからの移行を検討する場合、大きく分けて3つの方向性が考えられます。1つは最新バージョンのSharePoint Serverへの移行で、オンプレミス環境を維持したままサポート期限を延長できる方法です。2つ目はSharePoint Onlineなどのクラウドサービスに完全移行する方法で、クラウドならではのメリットを最大限に活用できます。
3つ目の選択肢としては、他社製品へのリプレースを検討するケースもあります。現在の業務要件やセキュリティポリシーに応じて、Microsoft以外のクラウドストレージやコラボレーションツールを導入する場合もあるでしょう。ただし、連携や利便性の面ではMicrosoft 365環境との相性が大きく影響するため、慎重に比較検討する必要があります。
Microsoft/SharePointからのベストな移行先
数ある選択肢の中でも、Microsoft/SharePoint環境からスムーズに移行できる候補を紹介します。
SharePointにおけるファイルやデータを継続して利用する場合、最も互換性が高く、移行が容易なのはやはりMicrosoftのクラウドサービスです。
特にSharePoint Onlineを選択することで、同様の機能を維持しつつ、今後のサポートやアップデートを継続的に受けられます。
加えて、TeamsやOneDriveなどの他サービスとの連携、Power Platformを用いたワークフロー自動化など、業務効率化を加速させる機能群が利用しやすくなります。
逆に、オンプレミス環境から離れられない事情がある場合や、部分的にクラウドへの移行を段階的に進めたい場合は、ハイブリッド構成を検討するのも一手です。
しかし、ハイブリッド構成には否応なくネットワークやセキュリティ周りの設計作業が増えるため、構築と運用の両面で周到な準備が必要です。コスト面や組織のITリソースを考慮しつつ、最適な形で移行を進めましょう。
SharePoint Onlineと SharePoint Onlineに移行するメリット
SharePoint Onlineはクラウド上で動作するため、従来のようにサーバーを立ち上げる手間や定期的なハードウェア刷新が不要です。Microsoft 365の一部として提供されるため、比較的シンプルなライセンス管理で組織全体が最新機能を利用できる点も魅力です。
常にMicrosoftからの更新プログラムが配信されるため、セキュリティリスクを抑えながら最新のコラボレーション機能を使い続けることができます。何よりも従来のSharePoint Serverで構築したサイトやライブラリとの互換性が高く、移行作業時のデータ損失リスクが比較的低いメリットがあります。
SharePoint Onlineに移行する際の注意点
SharePoint Onlineへの移行では、データの移行手順やライセンス形態、ユーザーアカウント管理など、事前に整理すべきポイントが多岐にわたります。特に大規模なサイトコレクションを保有している企業では、すべてのデータを一度に移行するには相応の計画とスケジュール管理が求められます。
また、クラウドへの移行にあたってはネットワーク帯域やセキュリティ設定の再確認が必要です。事前に十分なテストを行わずに本番移行を進めると、アクセス範囲や権限設定などで思わぬ不具合が発生する可能性があるため、移行ツールの検証やパイロット移行が必須となります。
ハイブリッド構成を採用する場合のポイント
ハイブリッド構成ではオンプレミスのSharePoint ServerとSharePoint Onlineの両方を運用し、必要に応じてアプリケーションやデータを連携させる仕組みを取ります。既存の投資を活かしながら段階的にクラウド移行できる点が利点ですが、その一方で管理やセキュリティの負担は増えやすいです。
特にネットワークVPNや認証基盤など、オンプレミスとクラウドを安全につなぐインフラ設計が不可欠です。また、利用者がどちらの環境を使うのか混乱しないように導入前に周知を徹底したり、サポート体制を拡充したりすることが、スムーズな移行のために求められます。
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Microsoft/SharePointの移行・乗り換え方法
実際に移行する際のプロセスと、具体的な手法を確認しておきましょう。
移行は単にデータをコピーするだけでなく、事前調査からテスト、本番移行、移行後の検証にいたるまで、綿密な計画が必要です。特に重要なのは、既存のコンテンツと利用状況をしっかり分析し、優先度の高いデータから順次移行していく手順を踏むことです。
利用する移行ツールや手作業による移行の可否も、組織の規模やITリソースに応じて検討する必要があります。大規模データを扱う場合には、専用の移行ツールを用いた効率的な方法を選び、トラブルを最小限に抑えることがポイントです。
移行プロジェクト全体の進め方
最初に現行環境の調査と運用状況の把握を行い、どのデータを最優先で移行すべきかを決定します。次に移行に必要なツールや作業工程を洗い出し、チームとスケジュールを確定させます。テスト移行の段階でトラブルやパフォーマンスのチェックを行い、問題がなければ本番環境へと移行するフローが基本です。
移行後にはログや作業記録を確認し、想定外の不具合や認証エラーがないかを検証します。最終的にユーザーが問題なくシステムを利用できるようになったらプロジェクト完了ですが、運用初期の段階では問い合わせやサポート体制を強化しておくと安心です。
参考:Microsoft
移行ツールの準備
Microsoft公式のSharePoint Migration Toolやサードパーティ製の移行支援ツールなど、さまざまな選択肢があります。無料で利用できるものから有償の高度なソリューションまで幅広く提供されており、自組織の要件や予算に合わせた選び方が重要になります。
特に大規模移行や複雑なサイト構成の場合は、ツールの動作実績やサポート体制を事前に確認しておくと安心です。ツールの機能を生かすためにはバージョンやデータ形式との互換性が鍵となるため、実際の移行を開始する前に必ずテストを実施しておきましょう。
参考:Microsoft
SharePoint Serverからのデータ移行
オンプレミスのSharePoint Serverからオンラインへの移行では、サイトコレクション単位での計画的な移行が一般的です。移行時には、データの整合性や権限移行が正しく行われるかを細部まで確認する必要があります。
また、カスタムWebパーツや独自のワークフロー設定がある場合、移行後の環境で正しく動作するかの検証が欠かせません。移行対象のボリュームが大きい場合は、バッチ移行や段階的なタイムスケジュールを組むことで業務への影響を最小限に抑えられます。
ローカルファイルからのデータファイル移行
ローカル環境に散在するファイルを一挙にSharePoint Onlineなどへアップロードするケースも多く見られます。しかし、ローカルファイルには重複や不要なデータが含まれていることも少なくありません。
この機会にデータの整理を行い、本当に必要な情報だけを移行することで、ストレージ容量の節約と検索性の向上が期待できます。メタデータやフォルダ構造の把握を事前に行い、移行後もわかりやすい管理を実現することがポイントです。
JSONやCSV ファイルを使用する場合の移行方法
JSONやCSVファイルを利用することで、データの構造や属性情報を標準化しやすくなります。複数のリストやライブラリにわたるデータを一括で扱えるため、大量データの移行では効率化を実感しやすい手法です。
ただし、ファイル内で扱うデータの整合性や文字コードの問題など、運用側で事前にクリアしなければならない課題もあります。保存される情報の優先順位を定め、移行時に無駄なデータを含めないように注意しましょう。
IT担当者に推奨される移行ツールの例
Microsoft SharePoint Migration Toolは公式の無償ツールとして知られ、直観的な画面でオンプレミスからのデータ移行が行えます。比較的シンプルにサイト単位やファイル単位での移行が可能であり、試用しやすい利点があります。
サードパーティ製ツールとしては、MetalogixやAvePoint、Questなどが高い実績を持ち、大規模かつ複雑な移行に対応しやすい特徴があります。ただし、ライセンスコストや導入メリットを総合的に判断し、具体的なプロジェクト要件に合わせて選ぶのが賢明です。
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Microsoft SharePointサポート終了までにやるべき対策
サポート終了にあたっては、必要な準備と注意点を事前に押さえておく必要があります。
サポート終了のリスクを最小化するには、現行環境の分析やデータ整理、セキュリティ強化など、段階的かつ効率的に進めることが不可欠です。特に移行に時間がかかる大規模組織や、独自カスタマイズを多用しているケースでは、早めにプロジェクトを立ち上げ計画を作成することが成否を分けます。
対策を施さないままサポート期限を迎えると、脆弱性が放置されるだけでなく、万一のトラブル対応も進みにくくなるため、早い段階で確実に作業を進めておくのが得策です。以下に示す項目を参考に、一つひとつ着実に取り組みましょう。
移行元環境の分析
まずは現行のSharePointバージョンやサイト構成、データ容量などを把握し、サーバー環境やネットワーク構成との依存関係を整理します。外部システムとの連携部分がある場合は、その連携先のサポート状況やAPIのバージョンも確認しておくことが大切です。
詳細な分析を行うことで、不要なデータや機能を洗い出し、移行先での効率的な運用を見据えた最適化計画が立てられます。まずは調査フェーズを丁寧に行うことで、後戻り作業を減らし、スムーズな移行を実現しましょう。
コンテンツの要不要を区別
長年運用しているSharePointには、使われていない文書や古いリストが多数残っているケースが多く見られます。これらのデータをそのまま移行すると、結果的にクラウド上のストレージコストや管理オーバーヘッドが増大する要因になりかねません。
移行前の段階で必要なコンテンツと不要なコンテンツを適切に区分し、廃棄やアーカイブを実行することで、クリーンな環境で再スタートすることができます。定期的にコンテンツを精査し、運用ポリシーを見直すことが、移行後の運用負荷軽減につながります。
移行対象の優先順位を決める
業務への影響度合いや利用頻度に応じて、サイトコレクションやライブラリの移行優先順位を設定します。特に、日常的に大量の文書をやりとりする部署や、顧客との連携が多い部門が扱うデータは最優先で移行を進めるのが望ましいでしょう。
優先度の高いデータから段階的に移行を進めることで、万一トラブルが発生した場合でも影響範囲を限定しやすくなります。テスト移行を優先度の高いデータで行うと、移行の成功率向上と問題検出がスムーズに進むメリットがあります。
セキュリティ意識の強化
サポート終了時期に合わせて見直すべきポイントとして、セキュリティ対策の強化が挙げられます。例えば多要素認証の導入や、アクセス権限の再設定、暗号化通信の適用状況のチェックは、組織全体を守るうえで不可欠な作業です。
また、移行に伴う作業には内部関係者だけでなく、外部ベンダーや一時的な作業員が関わる可能性があります。アクセス範囲の制限や監査ログの確認を徹底し、不正利用や情報漏洩を未然に防ぐ意識と仕組みを持つことが重要です。
IT部門が実施すべきタスクのチェックリスト
まずはSharePoint Serverのバージョンとサポート期限を確認し、プロジェクトチームの体制を確立します。次に分析フェーズでデータの構成や依存関係を洗い出し、コンテンツの要不要を区分したうえで移行スケジュールを策定します。移行ツールのテストやパイロット移行を経て、本番移行と並行してユーザーへの案内や運用ガイドラインの整備を行う流れが一般的です。
移行完了後も継続的に監視とメンテナンスを行い、必要に応じて最適化を繰り返すことで、セキュアで使いやすいSharePoint環境を維持できます。こうしたタスクをチェックリスト化し、担当者を明確にしておくことで、混乱なく対策を進めることが可能になります。
■関連資料
まとめ
Microsoft/SharePoint Serverの2016および2019は、2026年7月14日移行はサポートが行われません。移行先としては、「SharePoint Online」がおすすめです。
SharePoint Onlineはクラウドサービスのため、ネット環境さえあれば場所を問わず使用でき、ファイルの全文検索機能を活用できるなどのメリットがあります。
ただし、移行をスムーズに成功させるには、移行元環境の分析やコンテンツの整理など、対策を講じる必要があります。
移行が遅れると自社プロダクトの推進が遅れ、ひいては会社の存続にも関わります。つつがなく移行を図るには一度実績の多い企業に相談してみることをおすすめします。
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