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オフショア開発費用相場は?国別の人件費、特長、コスト削減方法を解説

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目次[非表示]

  1. 1.オフショア開発費用の費用構成と相場
    1. 1.1.オフショア開発における人件費の相場
    2. 1.2.オフショア開発の費用形態
  2. 2.2024年最新のオフショア開発の人月単価相場はいくら?
    1. 2.1.オフショア開発費用の内訳
  3. 3.オフショア開発の国別費用相場比較と特徴
    1. 3.1.東南アジアのオフショア開発費用相場
    2. 3.2.ベトナムのオフショア開発費用相場
    3. 3.3.中国のオフショア開発費用相場
    4. 3.4.インドのオフショア開発費用相場
    5. 3.5.フィリピンのオフショア開発費用相場
  4. 4.オフショア開発のコストメリットと国内比較
    1. 4.1.国内エンジニアの人件費との比較
    2. 4.2.オフショア開発のコストメリット
    3. 4.3.ブリッジSEやPMに関する費用
  5. 5.オフショア開発費用の要因とリスク
    1. 5.1.費用に影響を与える要因
      1. 5.1.1.プロジェクトの規模と複雑さ
      2. 5.1.2.開発チームのスキルセット
      3. 5.1.3.協力するベンダーの選定
      4. 5.1.4.為替レートの変動
  6. 6.オフショア開発の費用を安くするポイント
    1. 6.1.オフショア開発におけるコスト削減のポイント
  7. 7.オフショア開発で品質を確保する方法
  8. 8.オフショア開発の人材の質と供給状況
    1. 8.1.オフショア開発先の人材の質
    2. 8.2.オフショア開発先の人材供給状況
  9. 9.<まとめ>オフショア開発費用の正しい理解と最適化

オフショア開発に興味はあるものの、実際にかかる費用や注意点が気になる方は多いです。本記事では、オフショア開発費用の構造や相場、国別の比較やコスト削減のポイントをわかりやすく解説します。

さらに、品質を確保しながら最適化できる方法を解説しますので、オフショア開発を成功させたい方はぜひ最後までご覧ください。

オフショア開発費用の費用構成と相場

オフショア開発費用の主な内訳や相場感を把握することは、プロジェクトを円滑に進めるための第一歩です。

オフショア開発の費用に大きく影響するのは、エンジニアの人件費です。開発規模や契約形態によって金額は上下しますが、エンジニアのスキルレベルや経験値によっても単価が変わるため、見積もり時には詳細な要件整理が欠かせません。また、実際にはプロジェクト管理者やブリッジSEの人件費、現地オフィスの賃料なども含めて検討する必要があります。

一般的に国内開発に比べてオフショア開発は人件費を大幅に下げられるといわれていますが、その分コミュニケーションコストや仕様変更に伴う追加費用が発生するリスクもあります。こうした要因を踏まえ、国や会社ごとの特徴を把握した上で総合的に選定することが成功のカギとなるでしょう。

オフショア開発における人件費の相場

国やエンジニアの経験値によって、人件費は大きく異なります。2024年のプログラマー人月単価は平均で26万~53万円程度と言われ、全体的に年々上昇傾向にあります。アジア圏でもIT需要が増えているため、エンジニアの単価は一定の幅を持ちながらも上がり続けています。

とりわけベトナムやフィリピンなどの若いエンジニアが多い国では、コストパフォーマンスを重視した開発が期待できるケースがあります。一方で中国やインドは高い技術力が魅力ですが、経済成長に伴い人件費も上昇しやすいため、最新の市場動向を確認することが望ましいでしょう。

オフショア開発の費用形態

オフショア開発の費用は、大まかに人月単価と工数を掛け合わせた形がベースとなります。契約形態としては、開発範囲を明確に定めて行う請負契約や、継続的に稼働リソースを確保するラボ型契約などがあります。これらの違いによって、プロジェクト管理の手間やリスク分担の範囲が変わるため、事前に検討しておくことが重要です。

また、コミュニケーション手段としてのオンラインツール管理費や、場合によっては渡航費用なども予算に含める必要があります。よって単に表面的な人件費だけではなく、関連コスト全体を見込んだ上で適切な費用対効果を算出することがポイントになります。

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2024年最新のオフショア開発の人月単価相場はいくら?

最新の市場動向や各国のインフレ、需要供給バランスによって変化する人月単価の目安を解説します。

2024年のオフショア開発の人月単価は、地域や開発領域により差があるものの、概ね26万円から53万円の幅で推移しています。世界的にIT人材の需要が高まっているため、全体的な相場は上昇傾向にあります。特に中国やインドではエンジニアのレベルが高く、グローバル案件が増えている背景から単価も高くなりやすいです。

一方で、ベトナムやフィリピン、ミャンマーなどの東南アジア諸国は、相対的に単価が低めであり若年層エンジニアが豊富という特徴があります。コスト競争力を重視する場合はこれらの国を検討しつつ、プロジェクトの要件や開発内容に応じて最適な国を選定することが大切です。

オフショア開発費用の内訳

人件費以外にも考慮すべき様々な費用項目について解説します。

オフショア開発の主な費用はエンジニアの人件費ですが、他にもプロジェクト管理費用やブリッジSE(コミュニケーション担当)の人件費が含まれることがあります。さらに、通信ツールの利用料や翻訳費といったコミュニケーション関連のコストも無視できません。これらを正しく見積もりに含めることで、プロジェクト終了後に想定外の支出が生じるリスクを軽減できます。

また、開発プロジェクトの長期化に伴い、オフィスの賃料や渡航費が追加で発生するケースも少なくありません。こういった初期コストからランニングコストまでを合わせて算出し、国内開発と比較することで、本当にコストメリットがあるかを総合的に判断することが重要です。

オフショア開発の国別費用相場比較と特徴

各国が持つ開発リソースの特徴や、相場の違いを把握することで最適な選択をするための情報を提供します。

オフショア先として人気の高い東南アジアや中国、インドなどは、それぞれに強みとコスト面の特徴があります。技術力や英語力、時差、文化的要素なども国選びには大きく影響するポイントです。そのため、単純に人件費の安さだけでなく、プロジェクトの性質やチームとの相性を考慮し、総合的に判断する必要があります。

最近では、東南アジア地域のエンジニア育成が進んでおり、若年層が多いベトナムやフィリピンが特に注目を集めています。中国やインドは実績と経験が豊富ですが単価も上がりがちなので、予算規模やプロジェクトの長期展開を見すえたパートナー選びが求められます。

東南アジアのオフショア開発費用相場

東南アジア全体の相場は、平均的に人月単価が20万~40万円程度とされています。国ごとに若干の違いはあるものの、近年IT人材の需要が世界的に高まっていることから、全般的に単価は上向き傾向にあります。特に英語力が高い国や、エンジニアの教育に力を入れている国では、少し高めの相場になりがちです。

東南アジア地域では、政治や経済の安定性にも注意が必要です。たとえば、急激なインフレや為替変動が発生すると、人件費だけでなく現地での活動コスト全体が変動する可能性があるため、最新の状況を追いかけることが重要になります。

ベトナムのオフショア開発費用相場

ベトナムは若いエンジニアが多く、コストパフォーマンスの高い国として注目されています。2024年の人月単価は25万~40万円程度が目安とされ、開発期間が比較的短くても費用を抑えられる傾向があります。英語力も年々向上しており、コミュニケーション面でも改善が進んでいると言われています。

ベトナムの若年層エンジニアは技術スキルを積極的に磨こうとするモチベーションが高く、学習意欲が旺盛な点が特徴です。その一方で、大規模で高度な技術が必要なプロジェクトの場合は、経験豊富なエンジニアをどう確保するかが課題になることもあります。

中国のオフショア開発費用相場

中国の開発費用相場は他の国々と比較するとやや高めで、35万~55万円ほどの人月単価が一般的です。高い技術力と大規模なIT産業が整っており、AIやビッグデータなど先端技術領域の開発では優位性があります。一方で、近年は国内の経済成長に伴い、エンジニア単価も急速に高騰しているという現状があります。

言語面や文化面の差異への配慮も重要です。中国市場向けのサービスを考えている場合は大きな強みとなりますが、日本向けサービスのみを目的とする場合は、ややコミュニケーションのハードルがあるかもしれません。

インドのオフショア開発費用相場

インドはグローバルIT拠点として有名で、エンジニアの人口・レベルともに高水準です。人月単価は30万~60万円程度の幅が多く、先進国並みに高い専門知識を持つエンジニアも数多く存在します。特に英語でのコミュニケーションが比較的スムーズに行える点は、海外案件でも大きな利点です。

ただし、巨大な人材マーケットゆえにスキルの差が激しい側面もあります。ハイレベルな開発を行う場合は優秀な人材を確保しやすい反面、事前の選定を怠ると品質面でばらつきが出る可能性があるため、パートナー企業の実績や採用基準を見ることが大切です。

フィリピンのオフショア開発費用相場

フィリピンは英語が公用語の一つであるため、言語面でのコミュニケーションに強みがあります。平均的な開発費用相場は30万円前後で、サポート業務やカスタマーサービスなど、バックオフィスのオフショア拠点としても利用されることが多い国です。対話がスムーズに進むことで、要件のすり合わせや仕様変更への対応がしやすい点が評価されています。

一方、最新技術や特殊な領域に強いエンジニアを見つけるには多少の苦労が伴うこともあります。一般的なWeb開発やアプリケーション開発では問題ありませんが、先端技術を駆使した大規模プロジェクトの場合は、経験豊富な人材が集まる企業を厳選する必要があります。

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オフショア開発のコストメリットと国内比較

国内エンジニアに依頼する場合との比較は、コストだけでなく人材確保など多面的に検討すべきポイントがあります。

オフショア開発は日本の高い人件費と比較して、同水準の技術力であれば低コストを実現する可能性があります。国内リソースが不足しがちな大規模開発においては、オフショア活用でプロジェクト全体の予算を圧縮できる点が大きな魅力です。しかし言語や文化の違い、時差などによるコミュニケーションロスをどう最小化するかが重要な課題となります。

また、各国のエンジニアには得意分野があるため、単にコストだけでなく技術領域の適性にも注目すべきです。品質維持や納期厳守を重視する場合はオフショアが必ずしも安定とは限らず、プロジェクト特性に合わせたバランスのとれたリソース選定が求められます。

国内エンジニアの人件費との比較

国内エンジニアの人件費とオフショア開発の人件費を比較し、コスト削減効果を具体的に示します。国内のエンジニアの人月単価は、80万円~120万円程度が相場です。一方、オフショア開発では、人月単価が40万円~60万円程度に抑えられることが多いです。この差額は、プロジェクトの規模が大きくなるほど、大きなコスト削減効果につながります。例えば、10人のエンジニアが1年間開発を行う場合、オフショア開発であれば、数千万円単位でコストを削減できる可能性があります。ただし、オフショア開発では、ブリッジSEや通訳の人件費、コミュニケーション費用なども考慮する必要があります。

参照URL: https://hnavi.co.jp/knowledge/blog/offshore-development-cost/

オフショア開発のコストメリット

オフショア開発最大のメリットはやはり人件費の低さですが、そのほかにも24時間体制で開発を進められる場合がある点などが挙げられます。時差を活用して国内チームが寝ている間に開発が進行することで、効率的にスケジュールを回せることがあります。

また、海外を拠点とするエンジニアは多様なプロジェクト経験を持っていることが多く、新しいアイデアや手法が国内にはない発見につながる可能性もあります。コスト削減とイノベーションの双方を狙える点は、オフショア開発ならではの利点といえるでしょう。

  • 初期費用:オフショア開発では、現地パートナーの選定や契約に伴う初期費用が発生する場合があります。
  • 運用コスト:オフショア開発では、コミュニケーションツールやプロジェクト管理ツールの導入が必要になる場合があります。
  • リスク管理コスト:言語や文化の違いによるリスクを管理するためのコストも考慮する必要があります。

項目

オンショア開発(国内開発)

オフショア開発(海外開発)

コスト

  • 人件費が高い(人月単価80万~120万円)
  • オフィス賃料や福利厚生費などの間接費が発生
  • 人件費が低い(人月単価40万~60万円)
  • 間接費が削減可能

品質

  • 国内エンジニアのスキルや経験が高い
  • 日本の品質基準に適合しやすい
  • 優秀なエンジニアを低コストで採用可能
  • 品質はパートナー企業やエンジニアのスキルに依存

コミュニケーション

  • 言語や文化の壁がない
  • 直接的なやり取りが可能
  •  言語や文化の違いが課題になる場合あり
  • ブリッジSEや通訳が必要な場合がある

開発スピード

国内チームでの迅速な意思決定が可能

  •  時差を活用した24時間体制での開発が可能
  • コミュニケーションの遅延が発生する場合あり

リスク

リスクが比較的少ない(文化・言語の違いがない)

  • 言語や文化の違いによる誤解のリスク
  • 知的財産権やセキュリティのリスクが発生する可能性

柔軟性

顧客の要望に迅速に対応可能

  • 柔軟性はパートナー企業の対応力に依存
  • 契約内容によっては変更対応が難しい場合もある

初期費用

初期費用は比較的少ない

 パートナー選定や契約に伴う初期費用が発生する場合あり

運用コスト

国内での運用コストが高い

コミュニケーションツールやブリッジSEの費用が発生

技術力

国内エンジニアの技術力が高い

特定分野(AI、ブロックチェーンなど)では海外エンジニアが優位な場合も

プロジェクト管理

国内PMによる管理が容易


オフショアPMやブリッジSEを活用する必要がある

ブリッジSEやPMに関する費用

海外チームと日本側をつなぐブリッジSEやPMの存在は、プロジェクト進行の要となります。彼らの費用は月々数十万円にのぼることもあり、人件費としてプロジェクト予算に含める必要があります。言語や文化的なギャップを埋める役割を担うため、彼らの有無で開発効率が大きく変わるのも事実です。

特に日本企業の要望に対して正確に仕様を落とし込むためには、日本語と現地言語双方での技術的コミュニケーションスキルが求められます。ブリッジSE不足が開発の遅延や品質低下に直結する場合もあるため、適切なリソースを確保することが成功への重要なステップです。

  • ブリッジSEの役割と費用
    ブリッジSEは、国内チームとオフショアチームの間で技術的な要件や仕様を調整する役割を担います。ブリッジSEの人件費は、月額50万円~80万円程度が一般的です。

  • プロジェクトマネージャー(PM)の役割と費用
    PMは、プロジェクト全体の進行管理やリスク管理を担当します。国内PMを起用する場合、月額80万円~120万円程度の費用が発生することがあります。

これらの費用を考慮しても、オフショア開発のトータルコストは国内開発よりも低く抑えられるケースが多いです。

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オフショア開発費用の要因とリスク

プロジェクトの成功を左右する費用要因と、想定しておくべきリスクを押さえておきましょう。

開発費用が変動する大きな要因として、エンジニアのスキルレベルやプロジェクト規模、コミュニケーション頻度といった点が挙げられます。要件があいまいな状態でスタートすると、軌道修正のための追加工数が生じやすく、結果的に予算オーバーへつながってしまうのです。

また、リスクの一例として、国際情勢の変化や為替レートの急変があります。さらに、開発中にリーダーエンジニアが離職したり、現地企業との契約状況が変わったりすることも、コストやスケジュールに影響を与えます。こうした不確実性を念頭に置きながら、契約内容やリスクヘッジ策を検討することが重要です。

費用に影響を与える要因

オフショア開発の費用設計においては、さまざまな要因を総合的に検討する必要があります。

まず、プロジェクトの規模は費用に大きな影響を及ぼします。規模が大きくなれば必要なエンジニアの人数や開発期間が増加し、総コストは上昇します。ただし、大規模案件ではベンダーとの交渉により、一人当たりの単価を抑えられる可能性もあります。

次に、プロジェクトの複雑さも重要な要因となります。高度な技術や専門知識が求められる場合、それに見合うスキルを持つエンジニアの確保が必要となり、単価は上昇します。また、複雑な要件に対応するため、設計やテスト工程が増える結果、全体の費用も増加していきます。

エンジニアのスキルレベルと単価も密接な関係にあります。初級エンジニアの単価は比較的抑えられますが、複雑なプロジェクトでは中級から上級エンジニアの起用が不可欠となり、それに応じて単価も上昇します。特にAIやブロックチェーンといった最新技術を扱える人材は、高額になる傾向が見られます。

さらに、プロジェクトマネージャーやブリッジSEなど、開発を円滑に進めるための専門人材も必要です。これらの人材にかかる費用も、全体のコストに影響を与えます。

ベンダーの選定も費用を左右する重要な要素です。大手ベンダーは信頼性が高い反面、費用も高額になりがちです。一方、中小規模のベンダーは比較的コストを抑えられますが、プロジェクト管理能力やリソースの安定性に不安が残る場合もあります。

地域による違いも考慮すべき点です。東南アジアは比較的低コストで優秀なエンジニアを確保できる一方、東欧は費用は高めですが、高品質な成果物が期待できます。

これらの要因を適切に見極め、バランスの取れた計画を立てることで、オフショア開発の費用最適化とリスク軽減を実現できます。

プロジェクトの規模と複雑さ

オフショア開発費用は、プロジェクトの規模や複雑さによって大きく変動します。

  • 規模の影響
    プロジェクトの規模が大きくなるほど、必要なエンジニアの人数や開発期間が増加し、総コストが高くなります。ただし、大規模プロジェクトでは、単価交渉が可能になる場合もあり、1人あたりのコストを抑えられることがあります。

  • 複雑さの影響
    プロジェクトが高度な技術を必要とする場合(例: AI、ブロックチェーン、IoTなど)、専門スキルを持つエンジニアの採用が必要となり、単価が上昇します。また、複雑な要件を満たすために、設計やテスト工程が増えることで、全体の費用が増加する傾向があります。

例:シンプルなウェブアプリ開発と、AIを活用したデータ分析プラットフォームの開発では、後者のほうが費用が高くなるのは当然です。

開発チームのスキルセット

開発チームのスキルセットは、オフショア開発費用に直接的な影響を与えます。

  • スキルレベルと単価
    初級エンジニアの単価は低いですが、複雑なプロジェクトでは中級~上級エンジニアが必要となり、単価が上昇します。例えば、インドやフィリピンでは、初級エンジニアの人月単価が20万円~30万円程度である一方、上級エンジニアでは50万円~80万円程度になることがあります。

  • 専門スキルの需要
    特定の技術(例: Python、React、Kubernetesなど)に精通したエンジニアは需要が高く、単価が上昇する傾向があります。また、最新技術(例: Generative AI、Web3関連技術)を扱えるエンジニアはさらに高額になる場合があります。

  • チーム構成の影響
    プロジェクトマネージャー(PM)やブリッジSE(Bridge System Engineer)など、プロジェクトを円滑に進めるための役割を担う人材も必要です。これらの人材の費用も、全体のコストに影響を与えます。

協力するベンダーの選定

オフショア開発の成功には、適切なベンダーの選定が重要です。ベンダーの選定基準によって、費用や成果物の品質が大きく変わります。

  • ベンダーの規模と実績
    大手ベンダーは信頼性が高く、プロジェクト管理や品質保証の体制が整っていますが、費用が高くなる傾向があります。一方、中小規模のベンダーはコストが抑えられる場合がありますが、プロジェクト管理能力やリソースの安定性に課題がある場合があります。

  • 地域ごとの特徴
    ベトナムやフィリピンなどの東南アジア諸国は、比較的低コストで優秀なエンジニアを確保できる一方、インドは高度な技術力を持つエンジニアが多いものの、近年は人件費が上昇しています。また、東欧(例: ウクライナ、ポーランド)は、コストはやや高めですが、品質や技術力が高いと評価されています。

  • 契約形態
    固定価格契約(Fixed Price)と時間単価契約(Time & Material)によって費用の透明性やリスクが異なります。固定価格契約では予算が明確ですが、要件変更に柔軟に対応しにくい場合があります。一方、時間単価契約では柔軟性が高いものの、費用が予想以上に膨らむリスクがあります。

  • コミュニケーション能力
    ベンダーの言語能力や文化的な理解度も重要です。コミュニケーションがスムーズでない場合、要件の誤解や納期遅延が発生し、結果的にコストが増加する可能性があります。

為替レートの変動

円安などの為替変動が、オフショア開発費用に与える影響を解説します。オフショア開発では、海外の通貨で支払いを行うため、為替レートの変動が費用に大きな影響を与えます。円安が進むと、海外のエンジニアの人件費が相対的に高くなるため、オフショア開発の費用も上昇します。逆に、円高が進むと、オフショア開発の費用は安くなります。そのため、為替レートの変動を常にチェックし、費用を予測することが重要です。また、為替変動リスクを避けるために、契約時に支払い通貨を固定するなどの対策を検討することも有効です。

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オフショア開発の費用を安くするポイント

同じクオリティを維持しつつ、開発コストを抑えるための具体的な手法について考察します。

オフショア開発を成功させるには、仕様定義の明確化が重要です。要件が曖昧だと追加改修が多発し、結果的に工数が増えてしまいます。開発開始前に詳細な要件をまとめ、優先順位をつけておくことで無駄な工数を削減しやすくなるでしょう。

さらに、プロジェクト管理ツールの導入やオンラインでの定期ミーティングを活用して、進捗状況を見える化することも有効です。こうした仕組みを整えることで、途中での仕様変更やトラブルを事前にキャッチしやすくし、結果的な費用増大を防止できます。

オフショア開発におけるコスト削減のポイント

まずは、プロジェクトの最初の段階で優先度の高い機能を絞り込み、要件を最小限に抑えることが大きなポイントです。開発対象を明確化することで、不必要な工数をカットし、コストを下げやすくなります。また、ブリッジSEやPMとのコミュニケーションを定期的に行い、進捗を見ながら軌道修正を行うのも効果的です。

さらに、信頼できるオフショア企業を選定することも重要です。過去の実績やレビューを参考にして、システム開発や品質管理がしっかりしている企業を選ぶことで、後々のトラブル対応にかかる費用を最小限に抑えることにつながります。

オフショア開発で品質を確保する方法

低コストに加え、品質も落とさない開発体制を構築するための具体策を解説します。

オフショア開発で品質を確保するためには、コミュニケーションとレビュー体制がカギになります。コードレビューのステップをきちんと設定し、問題があれば即座に修正できるようにフローを整えましょう。特に言語や文化的な背景の違いから、認識のズレが発生しやすい点を念頭に置き、ドキュメントを作成するときには日本語と英語の両方で詳細に記載すると効果的です。

また、自社内に技術的な知見をもち、海外チームのアウトプットを検証できる人材がいると安心です。もし不足している場合は、国内外の第三者検証サービスを活用する方法もあります。品質保証のプロセスをきちんと組み込むことで、安価であっても高品質な成果物を得られる確率が高まります。

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オフショア開発の人材の質と供給状況

人材リソースの供給状況とエンジニアの育成環境について把握し、長期的なパートナーシップを検討します。

現在、世界的なIT人材の不足が叫ばれる中、オフショア先でも優秀なエンジニアの確保が次第に難しくなりつつあります。しかし、人口が多く若年層の労働力が豊富な国では、新たに生まれる人材も多く、比較的低コストでの開発が可能です。とはいえ、優れたエンジニアほど争奪戦が激しく、案件によっては単価が高騰するケースもあるため、早めの調査・交渉が大切です。

また、人材の質は個人のスキルだけでなく、現地企業全体の教育システムや技術研修制度にも大きく左右されます。より高度なスキルが必要なプロジェクトでは企業の研修内容や育成計画を確認し、長期的にコラボレーションできるパートナーを探すことが成功への近道となるでしょう。

オフショア開発先の人材の質

各国のエンジニアのスキルレベルや得意分野について解説します。オフショア開発先として人気の国々では、エンジニアのスキルレベルや得意分野が異なります。例えば、インドのエンジニアは、高度な技術力を持つ人が多く、大規模なシステム開発に適しています。ベトナムのエンジニアは、勤勉で真面目な人が多く、品質の高い開発が期待できます。フィリピンのエンジニアは、英語でのコミュニケーション能力が高く、グローバルなプロジェクトに適しています。各国のエンジニアのスキルレベルや得意分野を把握した上で、自社のプロジェクトに最適な人材を選ぶようにしましょう。

オフショア開発先の人材供給状況

各国のIT人材の供給状況や、採用の難易度について解説します。オフショア開発先として人気のある国々では、IT人材の需要が高まっており、人材の供給が追いついていない状況です。そのため、採用が難しくなってきているという現実もあります。特に、経験豊富なエンジニアや高度なスキルを持つエンジニアは、採用競争が激しくなっています。そのため、オフショア開発を検討する際には、各国のIT人材の供給状況を把握し、早めに人材を確保することが重要です。

<まとめ>オフショア開発費用の正しい理解と最適化

オフショア開発費用に関する情報をまとめました。自社に最適なオフショア開発先を見つけるための参考にしてください。オフショア開発は、コスト削減や開発効率の向上に有効な手段ですが、成功させるためには、事前の準備と綿密な計画が不可欠です。この記事を参考に、自社に最適なオフショア開発先を見つけ、プロジェクトを成功させてください。

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