運用保守のブラックボックスを解消。
海外ベンダーからのAdobe Commerce移管とサイト安定化の実現

導入前の課題

  • リプレイス後も障害が頻発し、基本的な稼働品質が担保できていなかった。
  • 英語でのやり取りや時差により、修正依頼へのレスポンスが極めて遅い。
  • ドキュメントが一切なく、ソースコードが複雑化して他社では触れない状態。

導入後の効果

  • 移管後、頻発していたシステム障害を沈静化させ、安定稼働を実現。
  • 修正リードタイムを大幅短縮し、改修スケジュールをコントロール可能に。
  • 仕様を可視化・ドキュメント化し、特定のベンダーに依存しない体制を確立。
  • プロジェクト概要と課題

「手が出せない」もどかしさ。海外主導のシステム刷新が招いた現場の混乱

アパレルブランドのH社様は、US本社のグローバル戦略に基づき、プラットフォームをAdobe Commerce(旧Magento Open Source)へリプレイスしました。しかし、サイト公開直後からシステムの不安定さが露呈し、ビジネス損失が発生し続けるという深刻な事態に陥っていました。
現場では主に以下の3つの課題が、日々の運用を圧迫していました。

  • 頻発するシステム障害と販売機会の損失
    リプレイス直後から原因不明のバグやシステムダウンが頻発。ECサイトとしての基本的な稼働品質が担保できず、プロモーション期間中にサイトが重くなるなど、直接的な売上減少を招いていました。
  • 海外ベンダーとのコミュニケーションの壁
    保守を担う既存の海外ベンダーとのやり取りはすべて英語であり、時差や商習慣の違いから、修正依頼に対するレスポンスが数日遅れることが常態化。進捗管理が困難で、国内のマーケティング施策に合わせたシステム改修が全く進まない状態でした。
  • 深刻な技術的負債とベンダーロックイン
    詳細な設計書や仕様書が一切存在せず、場当たり的な改修によってソースコードが複雑化。どの機能がどのように依存し合っているかが不明なため、「既存ベンダー以外は手を触れることができない」という極めてリスクの高い状態にありました。
  • 提案内容

技術力と語学力を武器に、不透明なシステムを「資産」へ変える再建プラン

私たちは、単なる一時的な「火消し」としての保守ではなく、システムの透明性を高め、日本国内で確実に運用をコントロールできる「包括的保守リカバリープラン」を提案しました。
具体的には、ドキュメントの欠如を前提としたソースコードからの「リバースエンジニアリング」を断行し、技術的負債を解消。システムをH社様のビジネスを支える「資産」へと再定義しました。また、当社が英語での技術的折衝を担い、海外ベンダーとの連携を日本主導で構造化することで、国内のマーケティング施策に即応できる、盤石な体制移管を実現しました。

  • 実施内容

ソースコード解析と国境を越えたタフな移管交渉の完遂

移管プロジェクトでは、以下のプロセスを完遂しました。

  • ソースコード解析による仕様のリバースエンジニアリング
    Adobe Commerceの膨大なプログラムを直接読み解き、ブラックボックス化していた独自カスタマイズ箇所の挙動を特定。不足していた基本設計書や機能一覧を新規作成し、属人化していたナレッジをドキュメント化しました。
  • 影響範囲の調査とコード依存関係の可視化
    将来的なバグ発生を防ぐため、入り組んだコードの依存関係を精査。改修時に予期せぬ影響が出る箇所を事前に特定し、安全に保守・拡張ができる基盤を再構築しました。
  • 英語によるダイレクトな移管交渉とリード
    既存ベンダーとの技術的な質疑応答を私たちが直接実施。アクセス権限、環境構成、デプロイフローといった機密情報をリスト化し、期限を切って確実な引き継ぎをリードしました。
  • 成果

障害の沈静化と、ビジネスのスピードに即応する保守体制の確立

国内での運用保守体制を確立したことで、H社様のECビジネスは「守り」から「攻め」へと転換する土台が整いました。

  • サイト稼働の完全安定化
    移管後、頻発していたシステム障害を根本から沈静化させることに成功。ECサイトとしての信頼性を回復し、プロモーションを安心して実施できる安定したビジネス運営が可能となりました。
  • 保守スピードの劇的向上
    数週間単位で滞っていた修正対応のリードタイムを大幅に短縮。不透明だったスケジュールがコントロール可能になり、国内のマーケティング施策に即応できる体制を実現しました。
  • ベンダー依存からの脱却
    仕様が可視化されたことで、「既存ベンダーにしか触れない」という依存体制を解消。自社でシステムの中身を把握し、戦略的な意思決定ができる健全な運用基盤を獲得されました。

今後の展望

現在の「安定稼働」フェーズの完了を受け、今後は蓄積された仕様ナレッジを基盤とした積極的な機能改善フェーズへと移行します。日本市場独自のニーズに応える決済手段の追加やUI/UXの最適化など、H社様が描く戦略的な施策に対し、最適な技術解を提案・実装していく予定です。 運用の「守り」を固めたからこそ可能になる、H社様主導の「攻め」のデジタル戦略。私たちはその技術的なパートナーとして、H社様の日本国内におけるECビジネスの成長を、実装力と運用力で強力に下支えしてまいります。



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